コンテはフランスの風土や文化が詰まった、親しみやすく奥深いチーズです。
豊かな風味とナチュラルな味わいは、朝食やおやつ、料理素材、ワインのつまみなど、いろいろなシーンで大活躍。フランス産AOPチーズの中でNo.1の生産量となっています。
添加物を使わずに、伝統的な製法で作られるので「搾乳の季節」「チーズ職人や熟成士の技」「熟成期間」によって食感や風味に違いが出るのも特徴です。たとえ同じ熟成期間のチーズでも同じ味になるとは限りません。
一玉ごとに個性のある一期一会のチーズとして、今こにあるコンテチーズとの出会いをお楽しみください。
1.搾乳の季節毎に味わいが異なる
コンテに使われるのは、モンベリアード種 (又はフレンチ・シメンタール種) の生乳のみ。
牛達は、春から夏の放牧の時期にはフレッシュな草花を食べ、秋の終わりからは牛舎に入れられ干し草を与えられます。
このようなエサの違いにより「夏の乳」で作られたコンテと「冬の乳」で作られたコンテには、色や味わいにそれぞれの個性が生まれます。
2.酪農家と職人達の技術のリレーで作られる
コンテ1玉の重量は約40Kg。そのコンテチーズを作るのには450Lものミルクが必要となります。1つの農家のミルクでは賄いきれない為、複数の酪農家達の乳がチーズ工房に集められます。
チーズ工房に集めらたミルクは24時間以内にコンテ職人の手によってチーズに形作られ、3週間保管(前熟成)された後、熟成士よって熟成されます。
1玉、直径:約60cm、重量:約40Kg。
(※画像提供:コンテチーズ生産者協会)
コンテ職人によるチーズ作り
(※画像提供:コンテチーズ生産者協会)
熟成士による熟成
(※画像提供:コンテチーズ生産者協会)
このように、「酪農家」→「チーズ職人」→「熟成士」と引き継がれる技術のリレーによって、高品質のコンテチーズが作り出されています。
3.熟成期間によって、食感や風味が変化する
コンテチーズの熟成期間は最低4か月以上。
フルーツが完熟し、やがてコンフィチュールのような濃厚な風味になってゆくように、コンテチーズも熟成士の手によって、一玉一玉の状態に合わせた最適な期間まで熟成されてゆきます。
◎8ヶ月熟成のコンテの特徴
ミルクの甘味を感じる、あっさりと優しい味わい。
しっとりとした食感で溶けやすく、料理にもおすすめです。
◎12ヶ月以上熟成のコンテの特徴
旨味が増したコクのある味わい。栗のようなホクっとした食感で、香ばしい風味があります。
◎24ヶ月や36ヶ月以上の熟成の特徴
組織が締まってより旨味が凝縮、濃厚で深みのある味わいになります。
香りも奥行きのある複雑ものになり、生地にアミノ酸の白い結晶も出てくるようになります。
1.熟成の若い(12ヶ月未満)のコンテの場合
ミルク感のある若いコンテは、パンや野菜、卵とも相性よし。スライスしてサンドイッチにしたり、オムレツに入れたり、「朝食」や「おやつ」にとてもおすすめ。
加熱するとよく溶けるので、グラタン、オニオングラタンスープなどの「オーブン料理」にお使いいただくと、非常にコクのある仕上がりになります。又、チーズフォンデュにしても大変美味しく召し上がっていただけます。
薄くスライスして野菜の上に乗せるだけで栄養満点のサラダになりますし、溶かして鶏肉や魚料理のソースとしても活躍します。
2.長期熟成のコンテの場合
ワインとのマリアージュを楽しむには長期熟成(12ヶ月以上)がおすすめです。
約30分位前に冷蔵庫から出して、食べる直前に 少し厚め(5〜8mm)にカットして召し上がると濃厚な風味が口の中に広がって、食感も楽しめます。ドライフルーツやナッツ、リンゴなどのフルーツ、柑橘系のジャムとの相性が良いので、是非ご一緒に。
ワインやシャンパンの他、ビールや日本酒にも合います。